介護保険サービスの「区分支給限度基準額」をわかりやすく解説

介護

こんにちは、hiroです。

区分支給限度基準額って聞いたことありませんか?

  • 「要介護〇だから月の上限単位数が少ない」って言われた。
  • 限度額を超えると全額自己負担になるって本当?

などの話を聞いたことなないでしょうか?

結論から言うと、それは 「介護保険で“保険が効く上限(1か月の枠)」 のことです。
この上限を「区分支給限度基準額(通称:支給限度額)」と呼びます。

この記事でわかること

・区分支給限度基準額の意味

・超えたときの負担(10割になるのはどこ?)

・ケアプランでの使い方(超えそうなときの調整)


  1. 区分支給限度基準額とは?
    1. 月途中で介護度が変わったらどうなる?
  2. 区分支給限度基準額に「含まれない(別枠)」代表例
    1. 別枠で上限があるもの
    2. 枠の管理対象外の代表例
    3. 「支給限度額」=「使っていい上限」ではない
  3. なぜ“区分”があるの?(要支援・要介護で枠が違う理由)
    1. 介護度が重いほど、必要なサービス量が増える
  4. どのサービスが“限度額の中”に入るの?
  5. 「区分支給限度基準額」と「負担限度額認定」は別物
    1. 特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)とは、
    2. 区分支給限度基準額は
  6. 限度額を超えたらどうなる?
    1. 超えた分は“原則10割負担”になりやすい
    2. でも「絶対に超えちゃダメ」ではない
  7. 限度額を超えることは「よくある」のか?を実例を紹介
    1. 例A:独居の認知症・要介護2、見守り中心で訪問介護が増えた
    2. 例B:退院直後(要介護3)、家族が日中不在で“つなぎ”をサービスで埋めた
    3. 例C:要介護1だけど、実態は重く、区分変更前に超過
  8. 「原則10割負担」=超えても使えるのか?
    1. 条件1:勝手に増やすのではなく、ケアプランに位置づける
    2. 条件2:事業所側が“全額自費”での提供を受けてくれるか
    3. 条件3:本人・家族が本当に払えるか
  9. 超えそうなとき、現場はどう調整する?
  10. 補足①:注意してほしい誤解
  11. 補足②:種類支給限度基準額(自治体によっては存在)
  12. よくある勘違いQ&A
  13. 負担を抑えるために家族ができること
  14. まとめ
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区分支給限度基準額とは?

ひと言でいうと

介護保険で“保険が効く上限”のこと。

言い換えると、
「介護保険が1〜3割負担で使える“月の枠”」です。

要介護・要支援状態区分ごとに設定されている上限額のことを区分支給限度基準額と言います。

ポイントは、上限は「円」ではなく、実務上は単位数(点数)で管理されること。円換算は地域の単価によって変わります。

月途中で介護度が変わったらどうなる?

区分支給限度額は、一か月単位で管理されていて、月の途中で要介護度が変更になった場合、限度額の管理は その月の“重い方”の区分で扱う運用が一般的です。
ただし、サービスの算定(単位のつき方)は サービスを提供した時点の区分で計算されます

区分支給限度基準額に「含まれない(別枠)」代表例

「月の枠」とは別に上限がある、もしくは枠の管理対象外のものがあります。以下は厚生労働大臣により基準額が設定されています。

別枠で上限があるもの

  • 特定福祉用具購入:同一年度で10万円まで
  • 住宅改修:原則20万円まで(一定条件で再度利用できる例外あり)

枠の管理対象外の代表例

  • 居宅療養管理指導 など、限度額が適用されないサービスが一部あります。
    (細かい対象外は自治体・サービス種別でやや複雑なので、一部例外あり。迷ったらケアマネに確認。

「支給限度額」=「使っていい上限」ではない

生活に必要なら、サービス自体は使えます。
ただし、枠を超えた分は介護保険の給付対象外になるため、超過分が10割負担になります。
よくある誤解:
「限度額を超えたら“全部が10割”」ではなく、“超えた分だけ”が10割です。


なぜ“区分”があるの?(要支援・要介護で枠が違う理由)


介護保険は、必要な人が必要な支援を受けられるように、敢えて利用できるサービス量に上限(区分支給限度基準額)を設けています。
もし上限がなければ、特定のサービスに利用が集中したり、一部の人が必要以上に使ってしまい、本当に支援が必要な人にサービスが行き届かなくなる恐れがあります。さらに、給付が膨らめば制度の財政負担が増え、将来的に利用者負担(1割〜3割)が上がったり、制度自体が維持できなくなる可能性もあります。
そのため「区分」を設けて一定の制限をかけることでバランスを整えているのです

  • 公平性
  • 制度の持続可能性
  • 需要と供給のバランス

介護度が重いほど、必要なサービス量が増える

介護保険は「必要量に応じて枠を広げる」仕組みです。要介護度が上がれば、その分、介護量も上がる為、介護度に応じた単位数が付与されています。また、要支援は要介護とは考え方も少し違っていて、介護が必要にならない為の「予防」を目的としている為、”要介護=介護給付”と言うのに対し、”要支援=予防給付”と言われます。


どのサービスが“限度額の中”に入るの?

原則:在宅系の介護保険サービス(訪問・通所・福祉用具貸与など)が対象。

一方で、食費・居住費などは介護保険外(生活費)で、別途自己負担になります。

「区分支給限度基準額」と「負担限度額認定」は別物

「区分支給限度額」と「負担限度額」は別物、ここは一番混乱するので、一度表を使って整理してみましょう

特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)とは、

  • 担限度額認定(特定入所者介護サービス費)
    施設入所やショートステイで発生する居住費・食費(滞在費)は原則自己負担だが、所得・資産が一定以下の人は申請により負担限度額が設定され、基準費用額との差額が介護保険(補足給付)で支払われるため負担が軽くなる

区分支給限度基準額は

区分支給限度基準額
要支援・要介護などの区分ごとに、1か月に介護保険で給付される単位数の上限が決まっている。上限内は原則1〜3割負担で利用でき、上限を超えた分は全額自己負担(10割)となる。

  • 区分支給限度基準額:介護サービス費(保険給付部分)の月上限
  • 負担限度額認定:施設等の居住費・食費の軽減(生活費側の軽減)
特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)区分支給限度基準額
何を軽減/制限する?居住費・食費(滞在費)の負担を軽減(補足給付) (介護検索)介護サービス費(保険給付部分)の「1か月の上限」を設定 (杉並区公式サイト)
“単位数上限”の話?いいえ(単位上限の話ではない)はい(要支援/要介護ごとの月上限単位) (杉並区公式サイト)
主な対象サービス施設入所・ショートステイ等(居住費・食費が発生するもの)例:特養、老健、介護医療院、短期入所など (市の公式サイト)主に居宅サービス等(訪問介護、通所、短期入所等を組み合わせる“自宅系”の利用管理) (杉並区公式サイト)
申請が必要?必要(市区町村へ申請→認定証が出る) (city.chigasaki.kanagawa.jp)通常は不要(制度として自動的に枠がある)
超えたらどうなる?“限度額”を超える居住費・食費部分が、条件を満たせば給付され本人負担が抑えられる (厚生労働省)上限を超えたサービス費は超過分が全額自己負担(10割) (杉並区公式サイト)
一言で言うと生活費(食・住)の救済制度介護サービス利用の月額キャップ

限度額を超えたらどうなる?

超えた分は“原則10割負担”になりやすい

区分支給限度基準額を超えた分は、原則自己負担となります。つまり10割負担。その為、ケアマネは枠内に収めるように調整をしています介護保険の給付対象外になるため

でも「絶対に超えちゃダメ」ではない

家族事情・本人の生活のために必要なら超える選択肢もある

ただし家計への影響が大きいので、事前に試算が重要となります

限度額を超えることは「よくある」のか?を実例を紹介

※単位数や地域区分、加算で上下します。

例A:独居の認知症・要介護2、見守り中心で訪問介護が増えた

  • 訪問介護(生活援助)を 週5〜6回
  • 通所介護を 週2回
  • 福祉用具(手すり・歩行器など)
  • さらに、状況悪化で身体介護が混ざり始める

→ 生活援助だけなら抑えやすいですが、身体介護が増える/回数が増える/加算が乗ると、限度額を超えることが現実的に起こります。

例B:退院直後(要介護3)、家族が日中不在で“つなぎ”をサービスで埋めた

  • 訪問看護:医療的フォローで回数増
  • 訪問介護:食事・排泄・服薬確認で回数増
  • 通所:体力低下でリハ目的
  • 短期入所(ショート):家族都合で追加

→ 退院直後は特に「必要な支援が一気に増える」ので“一時的に限度超え”が起こりやすいです。

例C:要介護1だけど、実態は重く、区分変更前に超過

要介護1だが、実情は要介護2〜3相当の介護が必要な状態。ただ、急に介護量が増えてしまい、認定が追いつかず要介護1の限度額で使っている

区分変更申請中に超過は、現場感覚としてあります。


「原則10割負担」=超えても使えるのか?

原則は、区分支給限度基準額の“範囲内”:1割〜3割の自己負担(+保険給付)内で抑えることになっています。絶対ではないが限度額を“超えた分”保険が効かないので全額自己負担(10割)となる為、経済的負担が大きくなります

そして、制度としては「超えても使っていい」。ただし条件があります。

条件1:勝手に増やすのではなく、ケアプランに位置づける

限度額超えは、ケアマネが把握しないとトラブルになります。
基本は「超過分が出る前提で説明・同意」を取ります。

条件2:事業所側が“全額自費”での提供を受けてくれるか

制度上は可能でも、事業所によっては

  • 自費対応を積極的にやる
  • 事務が煩雑で基本やらない
    など事業者により、運用差がある場合があります。

条件3:本人・家族が本当に払えるか

「自己負担できれば良いですよ」という意味合いは正しいですが、
漫然と超過すると家計負担が増えてしまう。

超えそうなとき、現場はどう調整する?

超過が見えた時点で、だいたい次の順で現実解を探します。

  1. 区分変更申請(実態が重いなら最優先)
    ⇒介護度が上がれば、付与される単位数も増えますので、余力が出来ます。
  2. 優先度の低いサービスを整理
    ⇒優先度を考慮して、回数・内容の見直しをする
  3. 介護保険外サービスを組み合わせ
    ⇒自治体・社協・家事支援などのサービス利用を検討する
  4. ショートステイ等で家族負担とサービス量の山をならす
    ⇒複数の介護サービスを利用するより、ショートステイを利用するほうが、単位を抑えられる場合もあります。
  5. それでも必要なら、超過分を自費で合意の上で利用する

補足①:注意してほしい誤解

「限度額を超えたら、原則10割負担」自体は正しいのですが、実務で大事なのは
“何でも自費で足せば解決”ではないという点です。

本当に必要なら 区分変更で保険枠を広げるのが最優先です。自費は最終手段(家計と継続性の問題)として考えておく方が良いです。

補足②:種類支給限度基準額(自治体によっては存在)

一部の市町村では、条例によりサービス種類ごとの上限(種類支給限度基準額)を定めることがあります。
この場合、全体では枠内でも、種類別の枠を超えた分は給付対象外になり得ます。

上乗せサービス
市町村条例で、厚生労働大臣が定める額を上回る支給限度基準額を定めることができます。

種類支給限度基準額

市町村サービス基盤の状況により、市町村は、区分支給限度基準額の範囲内で独自にサービスの種類額の上限額を条例で定めることができます。

種類限度額を超えたサービス利用は、居宅サービス全体が区分支給限度額基準額の範囲内であっても保険給付対象外となります

よくある勘違いQ&A

Q:限度額を超えたら全額自己負担?
A:超えた分が全額自己負担(10割)です。

Q:限度額は毎月リセット?繰り越しできる?
A:月単位で管理され、基本は繰り越しできません。

Q:ショートステイは限度額に入る?
A:入るケース多いので注意が必要です。

Q:福祉用具は?住宅改修は?
A:福祉用具購入(年度10万円)と住宅改修(原則20万円)は別枠です。

Q:「負担限度額認定証」と同じ?
A:区分支給限度基準額と負担限度額認定証は全く別物となります


負担を抑えるために家族ができること

まずはケアマネに相談することが大切です。

  • 追加したいサービスがあるとき
  • 今現在、限度額の何%を使用しているか?
  • 介護保険外サービス(自治体・民間)を使う判断軸

など、気になることは、まず担当ケアマネに相談することをお勧めします。
また、自己負担枠を使う場合は、生活を削りすぎない事が大切です。
余裕のなさが介護崩壊へ繋がることで結果的に一番高くつく場合があります。


まとめ

  • 区分支給限度額=「各介護度に付与される介護保険が効く枠」
  • 超えた分は原則10割負担になり、家計に直撃する
  • ケアプランは枠と生活のバランスを取る設計図である
  • 困ったら早めにケアマネへ相談、が最強

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