海外在住でも日本にいる親の介護はできる?最初にやること・介護保険申請を解説

介護

こんにちは、hiroです。

今回は、私が質問を受けた件に対しての学びを共有したいと思います。

テーマは、「ご子息が海外に住んでいると、日本にいる親の介護が必要になったとき、どうすればよい?」です。

「海外にいても介護の手続きはできるの?」
「すぐに帰国できない場合はどうすればいい?」
「親が一人暮らしで心配だけど、どこに相談すればいい?」
「介護保険の申請や施設探しは海外からでも進められる?」

と不安になる方も多いのではないかと思います。

昨今、海外で活躍する日本人も増えてきていると思います。

この記事では、海外在住の方が日本にいる親の介護で最初に確認すべきこと、相談先、介護保険申請の流れ、施設探しの考え方について今回は2部に分けて解説していきます。

まずは結論です。

結論から言うと、海外在住でも、日本にいる親の介護に関わることは可能です。

ただし、海外からすべてを一人で進めるのは簡単ではありません。
介護保険の申請、認定調査、ケアマネジャーとの相談、病院対応、施設見学、契約手続きなど、現地での対応が必要になる場面もあります。

そのため大切なのは、海外にいる家族が一人で抱え込むことではなく、日本側の支援体制を早めに作ることです。


海外在住でも日本にいる親の介護はできる?

海外に住んでいても、日本にいる親の介護に関わることはできます。

ただし、ここでいう「介護ができる」とは、毎日そばにいて直接介助するという意味ではありません。

海外在住の家族が行うべきことは、主に次のようなことです。

  • 親の生活状況を把握する
  • 親の住所地の相談窓口につなぐ
  • 要介護認定の申請を進める
  • ケアマネジャーや地域包括支援センターと連携する
  • 必要な介護サービスを検討する
  • 緊急時の連絡体制を整える
  • 必要に応じて施設入所も検討する

つまり、海外にいる家族の役割は、「自分だけで介護すること」ではなく、「親を支える仕組みを作ること」です。

海外にいるから何もできない、というわけではありません。
むしろ距離があるからこそ、早めに相談先を見つけ、親の生活を支える体制を作っておくことが重要です。


まず確認すべきこと

親の介護が心配になったら、まず親の状況を整理しましょう。

確認したい項目は次のとおりです。

確認項目内容
親の住所地どこの市区町村に相談するかが決まります
年齢65歳以上か、40〜64歳かで介護保険の条件が変わります
介護保険被保険者証65歳以上の方には通常、自治体から交付されています
かかりつけ医要介護認定では主治医意見書が必要になります
生活状況食事、入浴、排泄、買い物、服薬などを確認します
認知症の有無物忘れ、火の不始末、金銭管理の不安などを確認します
日本側の協力者親族、近所の人、民生委員など、現地で動ける人を確認します

特に大切なのは、親の住所地です。

介護保険の申請や相談は、基本的に親が住んでいる市区町村が窓口になります。
そのため、まずは親が住んでいる自治体名を確認し、その地域の高齢者相談窓口や地域包括支援センターを探すことから始めます。


最初の相談先は地域包括支援センター

親の介護が心配なとき、まず相談したいのが地域包括支援センターです。

地域包括支援センターは、高齢者の介護・福祉・生活相談の窓口です。
厚生労働省も、地域包括支援センターについて、高齢者の総合相談、権利擁護、地域の支援体制づくり、介護予防に関する援助などを行う機関と説明しています。

海外在住の場合、いきなり役所の介護保険課に連絡するよりも、親の住所地を担当する地域包括支援センターに相談する方が現実的なことがあります。

相談するときは、次のように伝えるとよいでしょう。

海外に住んでいるため、すぐに帰国できません。
日本にいる親の生活が心配です。
介護保険の申請や、今後の支援について相談したいです。

そのうえで、親の状況を具体的に伝えます。

たとえば、

  • 一人暮らしをしている
  • 最近転倒が増えた
  • 食事が取れているか心配
  • 服薬管理ができていない
  • 物忘れが増えている
  • 家の中が片付かなくなっている
  • 近所から心配の連絡が来た
  • 病院受診に付き添う人がいない
  • 介護保険の申請を進めたい

このような情報を伝えることで、地域包括支援センター側も状況を把握しやすくなります。


介護保険サービスを使うには要介護認定が必要

介護保険サービスを利用するには、原則として要介護認定または要支援認定を受ける必要があります。

厚生労働省の介護サービス情報公表システムでも、介護サービスを受けるには、まず市区町村の窓口で要介護認定の申請を行い、その後、認定調査、主治医意見書、介護認定審査会を経て要介護度が決まると説明されています。

流れは次のようになります。

  1. 親の住所地の市区町村または地域包括支援センターに相談する
  2. 要介護認定を申請する
  3. 認定調査員が本人の自宅・病院・施設などを訪問する
  4. かかりつけ医が主治医意見書を作成する
  5. 介護認定審査会で判定される
  6. 要支援1・2、要介護1〜5、または非該当の結果が出る
  7. ケアマネジャーなどとケアプランを作成する
  8. 介護サービスの利用が始まる

海外在住の家族が注意したいのは、認定調査のときに親が普段の困りごとを正しく伝えられないことがあるという点です。

親は、調査員の前で「大丈夫です」「何でも自分でできます」と言ってしまうことがあります。
また、認知症がある場合でも、本人が困りごとを自覚していなかったり、家族に心配をかけたくない気持ちから本当の状態を隠してしまったりすることもあります。

そのため、海外在住の家族は、親の生活状況をメモにまとめ、地域包括支援センターやケアマネジャーに共有しておくとよいでしょう。


家族が申請に行けない場合は代行申請を相談する

海外に住んでいると、家族が直接市役所に行って申請するのは難しい場合があります。

そのような場合は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所などに申請代行を相談できる場合があります。

たとえば、東大阪市の案内では、本人や家族が申請に行けない場合、地域包括支援センター、指定居宅介護支援事業所、介護保険施設などに申請を代行してもらうことができると説明されています。

ただし、必要書類や取り扱いは自治体によって異なる場合があります。

そのため、まずは親の住所地の市区町村、または地域包括支援センターに確認してください。

申請時には一般的に、次のような情報が必要になります。

  • 介護保険被保険者証
  • 申請書
  • 主治医の氏名
  • 医療機関名
  • 医療機関の所在地
  • 医療機関の電話番号
  • 本人確認に関する書類
  • 代理申請の場合は委任状など

自治体によって必要書類は異なるため、必ず親の住所地の自治体に確認しましょう。

ご両親が日本の方ではない場合でも、介護保険制度を利用できます。以下から詳細を確認できます。


海外在住の家族が作っておきたい「親の生活状況メモ」

海外在住の家族が親の介護を進めるうえで、とても重要なのが親の生活状況メモです。

電話やメールで相談するときも、情報が整理されていると相手に伝わりやすくなります。

以下のような項目をまとめておくとよいでしょう。

項目書く内容
食事買い物できているか、食事量が減っていないか、配食が必要か
入浴何日も入浴していない、浴室で転倒しそう、清潔保持が難しい
排泄失禁、トイレの失敗、夜間頻尿、ポータブルトイレの必要性
服薬飲み忘れ、飲み間違い、薬が余っている、重複して飲んでいる
認知症症状物忘れ、同じ話を繰り返す、火の不始末、通帳や財布の紛失
転倒歴いつ、どこで、どのように転んだか、けがの有無
金銭管理支払い忘れ、不審な契約、詐欺被害の心配
家の状態ゴミが溜まっている、掃除ができない、冷蔵庫の中が管理できない
近隣関係苦情、孤立、民生委員や近所の人との関わり
緊急連絡先海外の家族、日本側の親族、かかりつけ医、近所の協力者

このメモは、地域包括支援センター、ケアマネジャー、認定調査員、病院、施設相談員などに状況を伝えるときに役立ちます。

特に海外在住の場合、現地で親の様子を直接確認できる機会が少ないため、電話やビデオ通話、近隣の人からの情報、帰国時の様子などをもとに、できるだけ具体的に記録しておくことが大切です。

まとめ

ご子息が海外に住んでいたとしても、日本にいるご両親の介護保険制度の利用はできます。

その際、まずは地域包括支援センターに相談することが良いでしょう。

そして、相談の際に、ご両親の様子、具体的には食事、排泄、服薬等の情報を聞いておく必要があります。家族は介護サービスが必要と思っていても、ご本人は「そんなの必要ない」とおっしゃられることも少なくありません。

次回は、具体的にサービスの種類や施設入所に関しての内容を解説していきますので、お楽しみに。

海外在住で、日本にいる親の介護が心配な方へ。


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