こんにちは、介護しよ.netのhiroです。
「親に介護が必要かもしれない。でも、まず何をすればよいのかわからない」
このように悩む方は多いのではないでしょうか。
介護は、転倒や入院をきっかけに突然始まることもあれば、物忘れや生活動作の低下などから、少しずつ必要になることもあります。
正直なところ、介護保険の仕組みは少しわかりにくいです。私も介護の仕事をしていなければ、どこに相談すればよいのか迷っていたと思います。
この記事では、親に介護が必要になったときに「まず、何をすればよいのか」を、順番にお伝えします。
まず結論|介護が必要になったときの7つの流れ
一般的には、次のような流れで介護サービスの利用や施設入所を検討します。
- 親の異変に気づく
- 地域包括支援センターへ相談する
- 要介護認定を申請する
- ケアマネジャーにケアプランを作成してもらう
- 自宅で利用できる介護サービスを検討する
- 在宅介護が限界になる前に施設入所を検討する
- 本人に合った介護施設を探す
ただし、急に意識がおかしくなった、ろれつが回らない、片側の手足が動かしにくい、転倒して強い痛みがあるなど、緊急性が疑われる場合は、介護の相談よりも先に医療機関の受診や救急要請を検討してください。
①親の異変に気づく
親の介護について、
「うちの親は今も元気だから、まだ大丈夫」
と思っている方も多いのではないでしょうか。
私自身も、親はいつまでも元気でいるような気がしてしまいます。
しかし、私は特養の生活相談員としてご家族から相談を受けるなかで、「まさか、うちの親に介護が必要になるとは思っていなかった」という言葉を何度も聞いてきました。身内だからこそ、親に介護が必要になったことを、すぐには受け入れられない方もいらっしゃいました。
親の異変には、たとえば次のようなものがあります。
- 同じ話や質問を何度も繰り返すようになった
- 薬の飲み忘れや、お金の管理ミスが増えた
- 料理や掃除など、これまでできていたことが難しくなった
- 転倒することが増えた
- 尿や便を漏らすことが増えた
- 実際にはないものが見えると言うようになった
- 外出が減り、身だしなみに気を配らなくなった
一番身近な家族だからこそ、かえって変化に気づきにくいのかもしれません。
「年齢のせいだろう」で終わらせず、今までできていたことができなくなっていないか、同じことを何度も話していないかなど、少し前の親と比べてみることが大切です。
なお、物忘れや幻視、急な性格の変化などは、認知症だけでなく、病気や薬の影響によって起こる場合もあります。気になる変化があるときは、かかりつけ医にも相談しましょう。
②地域包括支援センターへ相談する
介護が必要だと感じても、
- どこに相談すればよいの?
- どのような介護サービスがあるの?
- 相談にはお金がかかるの?
- 要介護認定はどうやって申請するの?
など、わからないことが次々と出てくると思います。
そのようなときは、まず親が住んでいる地域を担当する地域包括支援センターへ相談してみましょう。
地域包括支援センターは、市区町村が設置する、高齢者の暮らしや介護に関する総合相談窓口です。保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門職が、介護・医療・福祉に関する相談に対応しています。相談や支援は無料です。
担当するセンターがわからない場合は、市区町村の介護保険担当窓口へ問い合わせるか、市区町村のホームページで確認できます。
親が入院中の場合は、病院の医療ソーシャルワーカーや退院支援担当者に相談する方法もあります。
③要介護認定を申請する
介護保険のサービスを利用するには、原則として要介護認定を受ける必要があります。
認定区分は、次のように分かれています。
- 要支援1・2
- 要介護1~5
申請先は、本人が住んでいる市区町村の介護保険担当窓口です。本人や家族が申請できるほか、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所などに申請を代行してもらえる場合もあります。
申請後は、認定調査や主治医意見書などをもとに審査が行われ、要介護度が決まります。認定結果が出るまでの目安は原則30日以内ですが、調査や審査の状況によっては時間がかかることもあります。
「まだ申請するほどではないかな」と迷うこともあると思います。しかし、結果が出るまでには時間がかかります。介護の必要性を感じたら、まずは早めに相談してみることをおすすめします。
④ケアマネジャーにケアプランを作成してもらう
要介護認定の結果が出たら、本人や家族の希望、生活状況、心身の状態などを確認し、必要な介護サービスを組み合わせたケアプランを作成します。
ケアプランの相談先は、認定区分によって異なります。
- 要支援1・2の方:地域包括支援センターなどに相談する
- 要介護1~5の方:居宅介護支援事業所のケアマネジャーに依頼する
要支援の方のケアプラン作成を、地域包括支援センターから委託された居宅介護支援事業所などが担当する場合もあります。
要介護1~5の方は、自分で居宅介護支援事業所を探すこともできますが、どこへ依頼すればよいかわからない場合は、地域包括支援センターや市区町村の窓口に相談するとよいでしょう。
⑤自宅で利用できる介護サービスを検討する
担当のケアマネジャーが決まったら、本人や家族の困りごとを伝え、必要なサービスを一緒に考えていきます。
自宅で生活しながら利用できる主なサービスには、次のようなものがあります。
- 訪問介護(ホームヘルプ)
- 訪問看護
- デイサービス
- デイケア
- ショートステイ
- 福祉用具の貸与
- 住宅改修
介護保険サービスの自己負担割合は、原則1割ですが、一定以上の所得がある方は2割または3割になります。また、要介護度ごとに1か月に利用できるサービスの上限額が決められています。
サービスの種類によっては、食費、居住費、日用品費などが別にかかる場合もあります。「自己負担割合が1割だから、すべての費用が1割になる」というわけではない点に注意が必要です。
介護サービスは、たくさん使えばよいというものでもありません。
本人がどのような生活を望んでいるのか。そして、家族が無理なく介護を続けられるのか。費用面も含めて、遠慮せずにケアマネジャーへ相談してみてください。
⑥在宅介護が限界になる前に施設入所を検討する
私が特養で入所相談を受けていると、在宅介護がすでに限界に近づいてから相談に来られるご家族が多くいらっしゃいます。
お話を聞いていると、「もっと早く相談できなかったのかな」と思うこともあります。ただ、ご家族からすれば、どの状態が限界なのかもわからず、何とか自分たちで頑張ろうとしていたのだと思います。
たとえば、次のようなケースです。
- 親を介護するために、仕事を辞めざるを得なくなりそう
- 夜間の介護が続き、家族が十分に眠れていない
- 認知症の症状や介護拒否があり、家族だけでは対応が難しい
- 介護のストレスによって、家族関係が悪化している
- 介護する家族の体調や精神状態が悪くなっている
介護は終わりが見えにくく、「この生活がいつまで続くのだろう」と苦しくなることがあります。それでも、家族だから頑張らなければいけないと思い、限界まで我慢してしまう方もいます。
しかし、介護する家族が倒れてからでは、本人の生活も立ち行かなくなってしまいます。
施設への入所を考えることは、介護を放棄することではありません。本人と家族の生活を守るための選択肢の一つです。
「もう少し頑張れる」と思っている段階でも、「このままでは少し厳しいかもしれない」と感じたら、それが相談のタイミングです。ショートステイの利用や施設入所について、早めにケアマネジャーへ相談してみてください。
⑦本人に合った介護施設を探す
介護施設を探すときは、空き状況や費用だけで決めるのではなく、本人の状態や希望に合っているかを確認することが大切です。
特に、次の点を確認しておきましょう。
- どのような種類の施設なのか
- 入居条件を満たしているか
- 毎月の費用はいくらかかるか
- 医療的ケアや看取りに対応しているか
- 認知症の症状に対応できるか
- 希望する生活や介護を実現できそうか
- 負担軽減制度を利用できるか
私が実際にご家族と関わるなかで、看取り介護がどのようなものかを十分に理解しないまま入所し、あとで後悔されている方がいました。一方で、負担軽減制度を知ったことで、毎月の費用を大きく抑えられた方もいます。また、入所したあとになって「希望していた対応はできない」と知ったケースもありました。
施設側から説明はあったとしても、介護が初めてのご家族が、その場ですべてを理解するのは難しいと思います。わからないことは、何度聞いてもよいのです。
一度入所したあとに別の施設を探すこともできますが、本人の状態が悪化していたり、次の入所先がなかなか見つからなかったりすることもあります。
施設を決める前に、本人や家族で希望を整理し、ケアマネジャーや施設の相談員にしっかり確認することが大切です。
まとめ|介護は一人で抱え込まず、早めに相談しよう
親に介護が必要になったとき、何から始めればよいのかわからないのは当然です。家族だけで介護方法や施設を決める必要もありません。
まずは親の変化を確認し、地域包括支援センターやかかりつけ医へ相談しましょう。その後、必要に応じて要介護認定を申請し、ケアマネジャーと一緒に本人と家族に合った介護サービスを考えていきます。
私が一番お伝えしたいのは、家族が限界を迎えるまで我慢しないでほしい、ということです。
「まだ相談するほどではないかもしれない」と感じる段階でも、早めに専門職へ相談することで、利用できる制度や選択肢が見つかる可能性があります。
私自身、介護現場で長く働いていますが、介護制度や施設選びは本当にわかりにくいと感じます。
だからこそ介護しよ.netでは、在宅介護や特養への入所、介護費用について、できるだけ難しい言葉を使わずにお伝えしていきます。
介護のことでわからないことがあったときに、この記事が最初の道しるべになれば嬉しいです。
参考資料
- 厚生労働省「地域包括ケアシステム」
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「サービス利用までの流れ」
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」
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