ロボット時代に、介護職として何をするべきか

介護

こんにちは、hiroです。

前回は、私が思う介護職の未来と感じている


介護職の仕事はロボットに奪われるのか?ロボット時代に求められる介護職とは | 介護しよ.net

をお話をしました。

話を聞いて、

✔介護職として生き残る方法を教えて

✔ロボットが来るのはまだ先ではないの?

✔具体的には何をすればよいの?



と言う疑問が沸きませんか?

ロボット時代に介護職として生き残るために、やっておくべきこと

私は、介護業界に限らず、”ロボット時代が来るのはほぼ確実である” と思っています。


介護職そのものが “完全になくなる” ことはないかもしれませんが、

「ロボットやAIを使いこなせる介護職」と
「ロボットやAIを拒否し続ける介護職」

の差は、これからどんどん大きくなっていくはずです。

「私は機械が苦手で…」
「AIとかよく分からないから、触りたくない」

と拒否しているだけだと、気づいたときには時代から置いていかれます。

では、ロボット時代に介護職として生き残るために、
これから何をしておくべきでしょうか。こちらのお話をしていきたいと思います

私が大事だと思っているのは、次の2つです。

  • 最新技術に触れ続けること
  • 介護職としての“本当の介護力”を上げ続けること

「なんだ、当たり前のことじゃないか」と感じるかもしれません。
でも、当たり前のことを“続ける”のが、いちばんむずかしいのも事実です。


最新技術に触れ続けること

介護業界は「淘汰」の時代に入っている

介護業界は、人員不足、コスト高、虐待、不適切ケアなど、
さまざまな問題がニュースになります。

同じような課題を抱えていても、
生き残っていく法人・施設と、
じわじわと厳しくなっていくところがあります。

その差は何だと思いますか?

有料老人ホームについても、今後「登録制」や人員配置基準の厳格化が進む方向で議論されています。
基準を満たせない施設は、撤退や縮小を余儀なくされる可能性も指摘されています。

虐待や不適切ケアがニュースになるような施設は、
当然ながら「ここに預けるのは不安だ」と考える家族が増え、
申し込みが減っていく可能性が高いでしょう。

そういう意味で、いまの介護業界は、

「利用者に寄り添った当たり前の介護ができているかどうか」
を、社会から試されている時代

と言ってもいいのかもしれません。

一方で、最新技術やICTに対応できない施設や職員は、
いつまでも人手不足と根性頼みの働き方から抜け出せず、
コスト高・人件費高の状態から抜け出せない危険もあります。

国も、LIFE(科学的介護情報システム)という仕組みを使って、「データに基づく介護」を推進しています。
LIFEにデータを提出し、そのフィードバックを活用することが加算の要件にもなっており、
「経験と勘だけに頼る介護」から、「エビデンスを踏まえた介護」に少しずつ舵が切られている状況です。

最新機器の導入によって、介護職の身体的負担が減っていくのはほぼ確実です。

負担が大きい介護業務の一つの例として、見守り業務があります。
利用者を見ている事が仕事なので、一見簡単そうに見えますが、実は瞬時な判断力が必要です。

・ちょっと食堂を離れたすきに、転倒させてしまった
・お菓子やお茶を配っていたら、背を向けていた利用者が食事形態が違うものを食べてしまった

こちらはどちらも介護事故です。

人間なので、意識を1つに向けると、周りが見えなくなるのは当然の事です。
しかし、事故があってはいけない仕事です。

このような業務を、センサーやAIに任せることで、
職員は別のことに意識を向けられるようになります。

実際に、「負担は減るのに、ケアの質は上がる」という事例も出てきています。

もう一つ、
記録についても、紙に書いてからPCに二重入力…という、
“どう考えても無駄に見える作業”は、これから確実に減っていきます。

そうなれば、
利用者と向き合う時間を増やせる施設と、
いつまでも紙と格闘している施設の差
は、ますます広がっていくはずです。


最先端技術やAIに「慣れる」

「最新技術」や「AI」、そして「ロボティクス」と聞くと、

「ロボット工学なんて無理」
「AIの専門学校に通わなきゃいけないの?」

と構えてしまう人も多いと思います。

でも、最初のステップはもっと簡単でいいと考えています。

  • YouTubeで「介護ロボット」「AI 介護」で検索してみる
  • テレビやネットニュースでAI特集をやっていたら、意識して見てみる
  • スマホアプリやチャットAIを、とりあえず触ってみる

大事なのは、

「よく分からないから触らない」ではなく、
「よく分からないけど、まず触ってみる」

というスタンスに切り替えることです。

厚労省の「介護ロボットの導入支援及び導入効果実証事業」では、

  • 夜間見守り
  • 排泄支援
  • ICTを使った非接触対応

などについて、複数の施設で実際に機器を導入し、

  • 転倒・転落の未然防止や早期発見
  • 夜勤職員の「巡視・移動」の時間削減
  • 業務効率化・休憩時間の確保

といった効果が検証されています。

一番の目的は、専門家になることではなく、

・いつもどこかでAIやロボットの話題に触れている
・「怖い」「よく分からない」という嫌悪感を少しずつ薄めていく

この2つです。

嫌いなもの・苦手なものは、
「知らないまま」だと、どんどん怖く感じるようになります。

逆に、日常的に目にするものになると、
「なんだ、思ったほど怖くないな」と感じられるようになります。

ロボット時代に必要なのは、“詳しい専門家”になることではなく、
“怖がらずに一緒に働ける介護職”になること
だと思っています。


介護職としてのスキルを上げる

「本当の介護力」3つ

ロボット時代になっても、
最後まで求められるのは「人にしかできない介護」です。

私が思う「本当の介護力」は、

  1. 観察力(気づく力)を鍛える
  2. 認知症について学び続ける
  3. 「一日一実験」で、小さく挑戦し続ける

1)観察力(気づく力)を鍛える

観察力、つまり「気づく力」は、とても重要です。

気づきの大切さについては、こちらの記事でもご紹介しています

コチラから👉 【初心者必見】介護職にとって大切な3つのこと | 介護しよ.net

  • いつもは静かな人が、今日はやけに落ち着かない
  • 普段はしっかり食べる人が、今日はなぜか箸が止まりがち
  • いつもと表情が違う、歩き方が違う、言葉の選び方が違う

こういった「いつもと違う」に気づけるかどうかで、
その人の体調の変化や、危険の予兆をキャッチできるかどうかが変わります。

例えば、
記名されていない服を見て、
「あ、それ○○さんが着ていたやつですね」と自然に言える力も、
現場ではとても大事な観察力の一部です。

当たり前のように聞こえるかもしれませんが、
実際の現場では、案外「見えていないこと」も多いと感じています。

観察力は一朝一夕には身に付きません。

ですので、私がおすすめしたいのは、
**「昨日と何が違う?」を自分に出す“ひとりクイズ”**です。

  • 昨日の○○さんと、今日の○○さん、どこが違う?
  • 昨日の食堂の雰囲気と、今日は何が違う?

少し子どもっぽく感じるかもしれませんが、
こういう小さな訓練の積み重ねが、

「あと少し気づくのが遅かったら、命に関わっていたかもしれない」

という事態を防ぐ力になります。


2)認知症について学ぶ

昨今、認知症に関する法律や施策が整えられ、
“認知症とともに生きる社会”をつくろうとする動きは、年々強くなっています。

それだけ、国が認知症を重要なテーマとして捉えている、ということです。

認知症基本法については

コチラから👉【認知症ケア】名前が変わるとケアが変わる。認知症という言葉の誕生 | 介護しよ.net
最近では、認知症に特化した資格や研修も増えてきました。
これからは、

「認知症の人への対応が適切かどうか」が、
施設選びの重要なポイントの一つになる

可能性も十分あると思います。

虐待や不適切ケアの多くは、
認知症の人との関わりの中で起きている、という側面もあります。

認知症の特性や行動の背景を理解していれば、
「なぜそんな行動になるのか」が見えてきますし、
それが分かれば、対応の仕方も変わってきます。

だからこそ、今まで以上に
「認知症を学び続ける介護職」と「よく分からないまま関わる介護職」の差
大きくなっていくと感じています。

そして、そのような意識の職員を育てる施設が、生き残っていけるのではないでしょうか?


3)「一日一実験」で、小さく挑戦し続ける

成長する一番の方法は、失敗することだと思っています。

何も挑戦していなければ、失敗も起きません。
でも、それは「安全」なようでいて、裏を返せば「変化がない」ということでもあります。

いわゆる「成功者」と呼ばれる人たちは、
口をそろえてこう言います。

「失敗していない人は、挑戦していない人だ」

介護も同じで、
何かを学んだら、小さく実験してみることが大切です。

ここでいう実験は、もちろん危険なものではありません。

  • 声かけの言葉を少し変えてみる
  • 立ち上がりの介助のタイミングを少し工夫してみる
  • 認知症の方への接し方を、昨日とは違うパターンで試してみる

など、日常の中でできる、小さな工夫です。

そして、

  • うまくいったこと
  • いまいちだったこと

その両方から、「次に生かせる学び」を言葉にしておく。

その繰り返しが、
「自分なりの介護観」や「介護の本質」に少しずつ近づいていく道だと思います。


まとめ:ロボット時代でも、“学び続ける介護職”は必要とされる

これからの時代に求められる介護職は、
ただ目の前のケアをこなすだけの人ではありません。

  • 最新技術に触れ、ロボットやAIを「怖がらずに使ってみる」こと
  • 観察力・認知症理解・小さな実験を通して、「本当の介護力」を高め続けること

この2つを意識している介護職は、
ロボット時代であっても、必ず必要とされると私は思います。

一度きりの人生です。
「なんとなく毎日をこなす介護」よりも、
「学び続ける介護」のほうが、きっと自分の人生も豊かになるはずです。

技術の進化によって、介護職のあり方は、これから大きく変わっていきます。
その変化に乗り遅れないためにも、

毎日ほんの少しだけ “新しいことに手を伸ばす” 意識を持ってみる。  

それが、ロボット時代に介護職として生きていくための、
いちばん現実的で、いちばん地味だけれど確実な一歩だと、私は思います。

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