「特養に申し込んでも、なかなか連絡が来ない。今どうなっているの?」
「あとどのくらいで入所できますか?」
「入所できる人はコネが必要なの?」
こうした疑問を持つ方はとても多いです。今回は、特養の入所判定がどのように行われているかを、現場目線でわかりやすく解説します。
※特養は制度上、原則 要介護3以上が対象です(要介護1・2は「やむを得ない事情」がある場合に限り、特例入所として認められます)。
※評価表や運用は、施設・自治体で異なる場合があります。
まず、結論から
「特養の入所が決まるまで」の全体像
申込 → 情報収集(調査票・意見書・面談)→ 優先度評価(点数)→ 判定会議 → 連絡 → 入所

特養へ入所のする基本原則は、「どれだけ緊急度が高いか」です。
その緊急度を、点数化して、月一回の入所判定会議で話し合いをして、決めています。
- 特養の入所は 「緊急度(在宅で暮らし続けるのがどれだけ難しいか)」 が基本
- 多くの施設では、その緊急度を 評価表で点数化 して
- 月1回などの入所判定会議 で候補者を確認して決める
※施設・自治体で評価表や運用が違う場合があります。
※特養は制度上、原則 要介護3以上(要介護1・2は「やむを得ない事情」がある場合の特例入所)です。
「緊急度」って具体的に何?
緊急度=ざっくり言うと “家での生活が破綻している度合い”
特養の入所は 「緊急度(在宅で暮らし続けるのがどれだけ難しいか)」 が基本となります。
- 介護者の状況(高齢・病気・共働き・独居など)
- 認知症・行動心理症状(徘徊、昼夜逆転、暴言暴力など)
- 医療的ケアや見守りの必要性
- 事故リスク(転倒、誤嚥、服薬管理不可)
上記のような項目がそのくらい緊急度が高いかが反映されます。
緊急度というと、おそらく特養へ申し込みをされる多くの方が、”緊急度MAX”だと感じます
在宅介護の相談では、
「夜眠れず限界」「便まみれで心が折れる」「毎回警察のお世話になっている」など、心身ともに余裕がない状況をたくさん聞きます。
ここで大事なのは、“家族がつらい”という気持ちだけで順位が決まるわけではなく、
「介護を受ける体制が実際に成り立っているか(支援者・介護力があるか)」も強く見られる点です。
たとえば、
- 身元引受人がいない
- 介護者が高齢(老々介護)
- 介護者が入院中/病気療養中で、十分な介護ができない
こうした事情は、在宅継続が難しい根拠になりやすいです。
一方で「就労で日中介護できない」だけだと、デイサービスや訪問介護などの”在宅サービスで調整可能”と判断され、緊急度が伸びにくいことがあります
点数化とは?(評価項目の“例”を見せる)
緊急度を、評価表で数値化して可視化する仕組みです。
「点数が高い=優先度が高い」という考え方になります(※点数配分は施設・自治体で異なります)。
たとえば評価項目は、以下のようなカテゴリに分かれることが多いです。
(自治体が評価基準を公開している例として、本人の状況/介護の困難性/サービス利用状況/緊急度などを点数化するケースがあります)
よくある評価カテゴリ(例)
| カテゴリ | 見られやすい質問例 |
|---|---|
| 本人の状況 | 要介護度、認知症症状、見守りの必要性、事故リスク |
| 介護の困難性 | 主介護者の年齢・健康状態、支援者の有無、独居・老々介護 |
| サービス利用状況 | デイ・訪問・ショート等の利用状況、導入しても限界か |
| 緊急度・特別な事情 | 退院期限、介護者の入院、虐待リスク、身寄りなし など |
| 地域要件(ある場合) | 市内在住/在勤など(自治体・施設で差があります) |
基本的評価基準(表)はこちら
出典:大阪市「大阪市指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)等入所選考指針」別表「基本的評価基準」
また、市内在住と市外在住でも大きな差がついてきます。
市内だと点数がつくが、申し込みの時点の住所が市外の場合は、点数がつかないという事もあります。
点数化と言うと、人によっては冷たいイメージを持たれる方もいらっしゃいます。しかし、数値化することで、人の思いではなく、機械的に順位が付けられるため、とても公平性が保たれるという形になります。
また自治体によっては、市が一次評価を行い、その後施設が二次評価を行うような段階的な運用例もあります。
入所判定委員会とは?
入所判定会議とは、各職種が集まり、申込者の点数・状況・受け入れ条件を共有し、入所の声かけ順や調整方針を決める会議です。
点数が同じ場合は、点数化されにくい事情(家族状況の切迫度、調整可否など)を並べて、最終判断をすることもあります。
参加職種の例:施設長、相談員、看護師、ケアマネ、管理栄養士、(PT等)、事務 など
会議では、医療対応の可否、感染症、行動面、性別・部屋、受け入れ体制などを総合的に検討します。
開催頻度は、月一回を目安ですが、状況に応じて臨時で開かれる場合もあります。
点数を元に、まず入所の順位が決定し、同じ点数の場合は、家族の状況や本人の状況など、点数化されない部分をテーブルに並べて、最終判断をする場でもあります。その為、申し込みの際の、記載内容が細かいほど、有利に働く場合があります。
コネを使った入所はあるの?
結論から言うと、制度上は「点数化+会議体」で決める運用が基本で、透明性・公平性が求められています。
ただし現場で“コネに見える”ことが起きる理由もあります。
現場では「情報が揃っている」「連絡が取れる」「調整しやすい」ケースが先に進みやすく、結果として外から見ると“コネっぽく見える”ことがある。
そして、介護施設では、内部監査が定期的に行われます。
監査では、施設がどういう取り組みをしているのか、規定通り書類を作成しているか、入所の判定は公平性があって妥当かなど、細かい部分まで調べられます。
その中で、入所された方の経緯や理由が記載された書類を作成する義務があり、好き嫌いで入所判定が行われていることが発覚したら、施設がペナルティを受ける可能性があります。
ただ、コネ入所とまでは行きませんが、一つ例外があります。
それは、ロングショート利用の方が優先して特養入所になる事が稀にあります。
ロングショートについては、こちらの記事をご覧ください。
コチラから👉特養とショートステイの違いを徹底解説|現場20年が本質までわかりやすく説明 – 介護しよ.net
理由は、ショートステイ利用中に家族がお亡くなりになり、身元請け人がいなくなった場合や、ショートステイの利用日数の限界が近づいてきているなどが挙げられます。施設側も、初めて介護する方より、介護の状況がよくわかっている方のほうが、負担が少ない事もある為、総合的に鑑みた結果、優先的に特養入所と言う形になることもあります。
つまり「コネ」よりも 情報・準備・タイミング が順位に影響しやすい、という面があります。
ここで負担に思われる方もいらっしゃるかと思いますので、再度入所判定の原則をまとめます。
原則:優先度(緊急度)で決める運用が基本
- ただ現場的に起きる“見え方”としては
- 情報が揃っていて判断しやすい人が先に進む
- 連絡が取れてすぐ動ける家族が有利になりやすい
どのくらい待機期間がある?
特養は基本的に満床であると考えてよいでしょう。
空床が出る時は、利用者がご逝去されるか、他施設へ移動されたときとなります。
そういう理由から、明確な期間は断言出来ないのが現状です。
そして重要なのは、待機期間は“人数”だけではなく、「条件」で大きく変わるという点です。
つまり、個室希望、特定エリア限定、医療対応が難しい、行動面が強い等は、入所が長引く可能性があります。
その為に、入所条件を広げる、複数申込をする、ショートステイの活用など入所に向けてできることをやっていく事も大切かもしれません。
まとめ
今回は、特養の入所判定の裏側を解説致しました。
- 入所は緊急度(在宅困難度)が軸となる
- 待機は条件で大きく変わる。準備で差が出る可能性あり
- 点数化+判定会議で決まる
申し込みをされる誰もが、””一日でも早く入所に繋げたい””という思いだと思います。
しかし、入所は公平に行われているという事を聞き、少しでも不安が軽減された方がいらっしゃれば幸いです。
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