親の入所はかつて一大事だった
昔は家族総出で立ち会うのが当たり前
ひと昔前、親が介護施設に入所するとなれば、家族は仕事を休んででも立ち会うのが普通でした。
「親の人生の大切な節目に、自分が同席しないなんて考えられない」
そんな価値観が当たり前だったのです。
近年は仕事優先で立ち会えないケースが増加
でも最近は、仕事や生活の都合で立ち会えない家族も増えています。
内閣府の「国民生活に関する世論調査(2023年)」でも、家族より仕事や自分の生活を優先する傾向が高まっていることがわかります。
施設現場でも、入所時に家族が来ないケースが珍しくなくなってきました。
家族が立ち会わなくなった理由
個人の生活を大切にする意識の広がり
かつては「親の介護=子どもの義務」とされ、家族は自分の予定を犠牲にするのが当然でした。
しかし今は「介護は社会で支えるもの」という考え方が広がり、家族も自分の生活や仕事を大切にしながら関わるようになっています。
施設が増えて、優先度が少し下がった
厚生労働省の統計によると、特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの数は年々増加しています。
以前は「この施設に入れなければ次はいつになるかわからない」という不安があり、家族も必死で立ち会っていました。
今は施設が増えたことで、「ここがダメでも他の選択肢がある」と考えられるようになり、入所の優先度が少し下がったのです。
働き方の変化も影響
総務省「労働力調査」によると、共働き世帯が増え、シフト勤務や非正規雇用も増えています。
そのため、家族が自由に仕事を休むのは難しくなり、「介護より仕事を優先せざるを得ない」という現実があります。
社会のサポートで入所はスムーズに
ケアマネや相談員が手続きを助ける
介護保険法に基づき、ケアマネジャーや地域包括支援センターの専門職が入所手続きをサポートしています。
家族が来られなくても、専門職が関わることで入所がスムーズに進みます。
オンライン面談や委任状対応の普及
厚生労働省のガイドラインでも、オンライン面談や委任状を使った入所手続きが推奨されています。
物理的に家族が来られなくても入所できる仕組みが整ってきています。
まとめ
家族が介護施設の入所に立ち会わなくなったのは、決して「冷たくなった」わけではありません。
背景には、
- 個人の生活を大切にする意識の広がり
- 施設数の増加による選択肢の増加
- 共働き世帯の増加や働き方の制約
- ケアマネや相談員など専門職のサポート体制
といった社会の変化があります。
つまり、介護は「家族だけの責任」から「社会全体で支えるもの」に変わりつつあるのです。
これからは、家族も社会も無理のない形で協力していくことが大切になります。
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