こんにちは、hiroです。
生活相談員として入所相談を受けていると、このような声を聞くことがあります。
・特養に申し込んだものの、いつ入所できるのか分からない。
・在宅介護が限界に近い。
・家族の介護がきっかけで、家庭内の関係まで悪くなってきている。
今回は、特養への入所を少しでも早く進めたいと考えているご家族に向けて、「申し込み先を市街地だけに限定しない」という考え方をお伝えします。
具体的には、郊外や山間部にある特養も候補に入れるという方法です。
ただし、これは特養入所を保証するものではありません。特養の入所は、本人の状態、介護者の状況、施設の空床状況、自治体や施設の入所指針などを踏まえて判断されます。
そのうえで、申し込み先を広げることで、入所につながる可能性を高められる場合があります。
特養への入所する基本的な流れを図解にすると以下のようになります。

特養の入所は、施設側が自由に決めているわけではありません。多くの自治体では、入所の必要性を点数化し、入所検討委員会などで合議のうえ、優先順位を決める仕組みになっています。
そのため、知り合いだから優先される、いわゆる「コネ入所」のような形は、制度上認められにくい仕組みになっています。
入所検討委員会では、入所申し込み時の点数で上位の方が入所候補者として挙がり、委員会では各職種の意見交換があり、入所の可否が判断されます。

なぜ特養が選ばれるのか?
特養は、民間の有料老人ホームなどと比べると費用負担を抑えやすいため、申し込みが多くなりやすい施設です。
そして、介護状況を点数化して、高得点の方を優先して入所する傾向があるため、点数が低い方だとなかなか入所へ繋がらないケースがあるのが現状です。
しかし、山間部はなかなか満床になっていない所もあります。
そこが狙いどころとなります。
特養も施設運営上、空床が続くことは大きな課題です。
ただし、空床があるからといって、誰でもすぐに入所できるわけではありません。
特養の入所は、本人の要介護度、認知症の有無、介護者の状況、在宅生活の継続困難さなどを踏まえて、入所の必要性が判断されます。
そのため、「点数が低くても入れる」と考えるのではなく、「待機者が多い施設よりも、相談から入所検討まで進みやすい可能性がある」と考える方が現実的です。
なぜ山間部の特養は満床ではないことがあるのか?
山間部の特養に空きがある理由として『これが一番の理由』と言うものはありませんが、入所を申し込みをしている中で、家族の方が面会に行きにくい事が理由の一つとして挙げられます。
在宅介護が限界に来ているという理由から、特養に入所した、とはいえ大切な家族ですので、会いたいと思うのが普通だと思います。ただ、家族の方も忙しいので、何かのついでに会いに行ったり、すぐに会いに行ける場所を希望されます。
そのため、どうしても交通の便が良い市街地にある特養への申し込みが集中してしまいます。
気軽に会いに行けない場所では、入所候補としては外れてしまうケースが多いです。
私が知っているケースでは、特養の一部のベッドをショートステイとして利用している施設があり、片道一時間かけて送迎している状況もあると聞きます。それだけ、地域によっては利用者確保に工夫が必要な施設もあるということです。
山間部の特養と市街の特養は費用は変わるの?
結論。
山間部だから安い、市街地だから高い、という単純な違いではありません。特養の費用は、介護サービス費の自己負担、居住費、食費、日常生活費などで構成されます。介護サービス費は要介護度や負担割合によって変わり、居住費や食費は居室タイプや施設の設定によって異なります。
具体的には以下👇の記事をご覧ください。

特養の費用についておさらいですが、必要なのは
介護サービス費の自己負担分 + 居住費 + 食費 + 日常生活費・雑費
となります。部屋代と食費は施設によって違ってきます。
山間部と市街地で変わってくるというより、市街地の特養の中でも変わってきます。
最近では、ホームページに必要な費用を公開している施設も増えて来ていますので一度確認をすると良いです。
山間部の特養は、昔からある古びた施設なんでしょ?
ある方に、『山間部の特養は昔の病院みたいなんでしょ?』と言う質問を受けたことがあります。
確かにそのような施設があるのは事実かもしれませんが、新たに施設を建設された施設もありますので、一度ご自身のお住いのエリアをチェックしてみることをおすすめします。
住所だけを見ると山間部に感じても、建物が新しい施設や、設備面に力を入れている施設もあり、施設によっては入所までの期間が『1か月以内に入所可』と表示されている施設もあります。
山間部の特養入所のメリット・デメリット
≪メリット≫
・自然に囲まれた環境で、生活できる
・比較的、早い段階で入所につながる可能性がある
・市街地の施設に比べて、敷地や周辺環境にゆとりがある場合がある
大きな特徴の一つとして、施設が自然に囲まれていることが挙げられます。特養に入所となると、外出することはどうしても減ってしまいます。その施設でどれだけ快適に過ごせるかが大切になってきます。私の経験上、最新設備だけでなく、「窓から自然が見える」「落ち着いた環境で過ごせる」といった点を重視されるご家族もいらっしゃいました。
≪デメリット≫
・緊急時に家族がすぐに駆け付けられない
・最寄りの病院が遠い場合がある
・大雪・台風・土砂災害などの際に、交通アクセスの影響を受けやすい場合がある
特養に入所していると、体調不良やけがをしてしまう事は必ずあります。そういう時に、病院に到着まで時間がかかったり、家族がすぐに駆け付けられないという事も容易に想像できます。
そのため、見学時には「緊急時の受診先」「夜間の看護体制」「救急搬送時の家族連絡」「災害時の対応」などを確認しておくと安心です。
郊外や山間部の特養も選択肢に入れてみる事
生活相談員として、入所の申し込みを受けていると、
・夜間帯にトイレで起こされてしまい睡眠不足になっている
・お嫁さんが介護をしているが、旦那さんは仕事があり、中々協力を得られない。お嫁さんが精神的につらくなってきて、夫婦間の不和が生じている
・認知症の家族が、家を出て行ってしまい、警察と捜索を繰り返して大変
と言う家族の声をよく聞きます。
在宅介護は、介護をする家族の生活そのものに大きな影響を与えます。
夜間の介助で眠れない、認知症による外出が心配、家族間で介護の負担が偏っている。
こうした状況が続くと、介護する側もされる側も追い詰められてしまいます。
特養への入所を考えるとき、市街地の施設だけにこだわると、待機期間が長くなることがあります。
そのような場合は、郊外や山間部の特養も選択肢に入れてみてください。
もちろん、距離があることで面会や緊急時の対応に不安が出ることもあります。
だからこそ、見学時には費用だけでなく、医療体制、緊急時の連絡、受診対応、災害時の備えまで確認しておくことが大切です。
「近い施設にこだわる」のではなく、「本人と家族が少しでも安心して生活できる場所を探す」。
その視点で考えると、特養選びの選択肢は少し広がるはずです。
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