こんにちは、hiroです。
今回は、生活保護についての記事で最後のパートになります。前回までは、
第1回:生活保護の対象になるのはどんな人?
第2回:生活保護の申請方法は?
と言うテーマでした。
第1回:生活保護の対象になるのはどんな人?

今回は、その続きの内容となり、
『生活保護を受けるとどうなる?受給後の生活・家族・医療・介護の誤解を解説』
と言うタイトルで”生活保護を受けるとどういう生活になるのか”を解説しています。
是非、最後までご覧ください。
生活保護を申請する前に、多くの人が感じる不安とは?
生活保護を申請する前に、多くの人が不安に感じるのは「受けられるかどうか」だけではありません。
むしろ、申請を考えている人や家族が気にするのは、次のようなことではないでしょうか。
・「生活保護を受けると、その後の生活はどうなるのか」
・「家族や親族に知られてしまうのか」
・「病院代や介護サービスの費用はどうなるのか」
・「持ち家や車、貯金があったら受けられないのか」
・「一度受けたら、もう抜けられない制度なのか」
生活保護には、いまだに多くの誤解があります。
しかし、生活保護は生活に困っている人を責める制度ではありません。国が最低限度の生活を保障し、あわせて自立を助けることを目的とした制度です。厚生労働省でも、生活保護制度では”最低生活費から収入を差し引いた額が保護費として支給され、受給中は収入申告やケースワーカーの訪問調査などが行われる”と説明されています。
この記事では、生活保護を受け始めた後の生活、医療費・介護費、家族への影響、持ち家・車・預貯金の考え方、そしてよくある誤解について、介護や高齢の親の生活とも結びつけながら解説します。
生活保護が始まった後の生活はどうなる?
生活保護が開始されると、世帯の状況に応じて保護費が支給されます。
生活保護は、単に「毎月一定額がもらえる制度」ではありません。世帯の人数、年齢、住んでいる地域、家賃、収入、年金の有無、障害や介護の状況などを確認したうえで、国が定める最低生活費と実際の収入を比べ、不足する分を補う仕組みです。
たとえば、年金を受け取っている高齢者の場合、年金がすべてなくなるわけではありません。年金収入がある場合は、その収入を生活費に充て、それでも国が定める最低生活費に足りない部分が生活保護費として支給されるという考え方になります。
受給が始まった後は、主に次のような流れになります。
まず、毎月の保護費が支給されます。生活費にあたる生活扶助、家賃にあたる住宅扶助など、世帯の状況に応じて必要な扶助が決まります。
次に、収入の申告が必要になります。年金、給与、仕送り、臨時収入などがあれば、福祉事務所へ報告します。厚生労働省も、生活保護の受給中は収入状況を毎月申告し、世帯の実態に応じてケースワーカーが年数回訪問調査を行うと案内しています。
また、生活状況に変化があった場合も報告が必要です。たとえば、入院した、施設に入所した、家族と同居を始めた、仕事を始めた、年金額が変わった、引っ越しを考えているといった場合です。
生活保護を受けると、すべてを自由に使ってよいというより、必要な生活を守るために、福祉事務所と状況を共有しながら生活していく形になります。

ケースワーカーとの関わりはどうなる?
生活保護を受けると、担当のケースワーカーがつきます。
ケースワーカーは、生活保護を受けている人の生活状況を確認し、必要な支援や助言を行う職員です。生活費のこと、住まいのこと、医療や介護のこと、就労のことなど、世帯の状況に応じて関わります。
「ケースワーカーに生活を監視されるのではないか」と不安に感じる人もいます。
たしかに、生活保護は税金をもとにした制度であるため、収入や資産、生活状況の確認は行われます。家庭訪問が行われることもあります。
ただし、本来の目的は責めることではありません。生活が成り立っているか、必要な支援につながっているか、不正受給にならないように正しく制度を使えているかを確認するためです。
高齢の親が生活保護を受ける場合は、ケースワーカーだけでなく、ケアマネジャー、地域包括支援センター、医療機関、介護サービス事業所などと連携する場面もあります。
特に介護が必要な方の場合、生活保護だけで生活を支えるのではなく、介護保険サービスや医療、地域の支援を組み合わせて生活を整えていくことが大切です。
医療費や介護サービス費はどうなる?
生活保護を受けると、医療費や介護サービス費の扱いも大きく変わります。
生活保護には、生活費だけでなく、医療や介護に関する扶助があります。
医療サービスの費用は「医療扶助」、介護サービスの費用は「介護扶助」として扱われます。厚生労働省の生活保護制度Q&Aでは、医療サービスの費用は医療扶助として直接医療機関へ支払われ、本人負担なし、介護サービスの費用も介護扶助として直接介護事業者へ支払われ、本人負担なしと説明されています。
つまり、生活保護を受けている方が病院を受診する場合、原則として医療扶助により医療費が支払われます。
ただし、何でも自由に受診できるという意味ではありません。生活保護では、原則として福祉事務所が指定する医療機関を利用する形になります。受診の際には、医療券などの手続きが必要になる場合があります。
介護サービスについても同じです。
要介護認定を受けている方が訪問介護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具貸与、施設サービスなどを利用する場合、介護保険制度と生活保護の介護扶助を組み合わせて費用が扱われます。
介護保険サービスの自己負担分についても、生活保護の対象となる場合は介護扶助で対応されます。
そのため、高齢の親が生活保護を受ける場合でも、必要な介護サービスがすぐに使えなくなるというわけではありません。むしろ、医療費や介護費の支払いが難しくなっている場合は、生活保護によって必要な医療や介護につながりやすくなる面があります。
ただし、介護施設の利用では注意点もあります。
たとえば、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などでは、生活保護の方を受け入れているかどうか、居住費や食費、日用品費、個室代、その他の実費がどうなるかを事前に確認する必要があります。
生活保護を受けていれば、すべての施設に自由に入れるというわけではありません。施設側の受け入れ体制や、自治体の判断、本人の介護度、費用の内訳によって対応が変わることがあります。
持ち家や車があると生活保護は受けられない?
生活保護について、特に誤解されやすいのが「持ち家や車があると絶対に受けられない」という考え方です。
結論からいうと、持ち家や車がある場合でも、必ず生活保護が受けられないとは限りません。
ただし、生活保護は「活用できる資産は活用する」という考え方が基本です。そのため、預貯金、不動産、生命保険、自動車などについては調査が行われます。厚生労働省も、生活保護の申請後には預貯金、保険、不動産などの資産調査が行われると案内しています。
持ち家について
持ち家がある場合でも、すぐに売却しなければならないとは限りません。
実際に自治体の案内でも、持ち家がある人でも申請でき、居住用の持ち家については保有が認められる場合があると説明されています。
たとえば、高齢の親が長年住んでいる自宅で、売却してもすぐに生活再建が難しい場合や、住み続けたほうが生活の安定につながる場合などは、個別に判断されます。
一方で、資産価値が高い不動産や、住んでいない土地・建物がある場合は、売却や活用を求められる可能性があります。
つまり、持ち家があるかどうかだけで判断するのではなく、「その家に住み続ける必要性があるか」「資産として活用できるか」「売却した場合に生活がどうなるか」などを含めて判断されます。
車について
車については、原則として保有が認められにくい資産です。
ただし、これも「車があるから絶対に生活保護は無理」とまでは言い切れません。自治体の案内でも、自動車は処分が原則としつつ、通勤用の車を持ちながら求職している場合など、処分しないまま保護を受けられる場合があると説明されています。
地方では、通院、買い物、通勤、障害や介護の事情などで車が生活に欠かせない場合があります。
ただし、車の保有が認められるかどうかは、地域性、本人の状態、公共交通機関の有無、車の使用目的、資産価値、維持費などによって個別に判断されます。
高齢の親の場合は、「通院に車が必要」「家族が送迎している」「本人は運転しないが家族名義の車を使っている」など、状況が複雑になることもあります。
自己判断で車を処分したり、名義を変えたりする前に、必ず福祉事務所に相談することが大切です。
預貯金はどこまで認められる?
生活保護では、預貯金も確認されます。
「貯金が1円でもあったら生活保護は受けられない」と思っている人もいますが、実際にはそこまで単純ではありません。
生活保護は、生活に困っているかどうかを世帯単位で判断します。そのため、預貯金がある場合は、そのお金をまず生活費に使うことが基本になります。
ただし、生活を始めるために最低限必要なお金、すぐに必要となる支払い、家賃、医療や介護に関わる事情などもあります。実際にどこまで認められるかは、世帯の状況や自治体の判断によって異なります。
特に高齢者の場合、次のような支出が問題になりやすいです。
・介護施設に入るための費用
・入院時の日用品費
・おむつ代や衣類代
・家賃や光熱費の滞納
・葬儀に関する不安
・家族が一時的に立て替えている費用
ここで大切なのは、「貯金が少しあるから相談してはいけない」と考えないことです。
生活保護の申請時には、通帳の写しや給与明細など、収入や資産がわかる資料の提出を求められることがあります。厚生労働省のQ&Aでも、申請時の調査で世帯の収入・資産状況がわかる資料を提出することがあると説明されています。
預貯金については隠すのではなく、正直に伝えたうえで、今後の生活が成り立つかどうかを相談することが重要です。
生活保護は家族にバレる?迷惑がかかる?
生活保護の相談で非常に多い不安が、「家族に知られるのではないか」というものです。
特に高齢の親が生活保護を考える場合、本人よりも子ども世代が悩むことがあります。
・「親が生活保護を受けると、子どもに請求が来るのではないか」
・「親族全員に連絡されるのではないか」
・「家族に迷惑がかかるから申請できないのではないか」
この不安の背景には、扶養照会があります。
扶養照会についてはコチラ👇の記事をご覧ください

生活保護では、扶養義務者による援助が可能かどうかを確認する場合があります。ただし、親族に相談してからでないと申請できないということではありません。自治体の案内でも、『扶養義務者の扶養は保護に優先するとしつつ、同居していない親族に相談してからでないと申請できないわけではない』と説明されています。
つまり、家族が援助できるかどうかを確認されることはありますが、「家族が必ず生活費を出さなければならない」「家族が援助しないと生活保護を受けられない」という意味ではありません。
家族にも生活があります。
子ども世代も住宅ローン、教育費、自分たちの生活費、仕事、介護負担を抱えています。親を支えたい気持ちはあっても、経済的に支え続けることが難しい場合もあります。
そのようなときに、生活保護を使うことは「家族として冷たい」ということではありません。
むしろ、親の生活、医療、介護を安定させるために、公的制度を正しく利用するという考え方が大切です。
生活保護にまつわるよくある誤解
ここからは、生活保護についてよくある誤解を整理します。
誤解1:生活保護を受けるのは恥ずかしいこと
生活保護は、生活に困ったときに使うための公的制度です。
病気、失業、介護、認知症、障害、家族関係の悪化、年金不足など、生活が苦しくなる理由は人それぞれです。
特に高齢者の場合、若い頃にまじめに働いていても、年金だけでは生活費や医療費、介護費をまかなえないことがあります。
生活保護を受けることは、恥ずかしいことではありません。生活を立て直すため、または最低限の生活を守るための制度です。
誤解2:生活保護を受けたら自由がなくなる
生活保護を受けると、収入や資産、生活状況の報告は必要になります。
しかし、すべての生活を制限されるわけではありません。
必要な食事をすること、病院に通うこと、介護サービスを使うこと、地域で生活することは、生活を守るために必要なことです。
ただし、高額な買い物、資産の保有、収入の未申告、福祉事務所に無断での転居などは問題になることがあります。
生活保護は「何もできなくなる制度」ではなく、「生活を守るために一定のルールの中で利用する制度」と考えるとわかりやすいです。
誤解3:病院に行けなくなる
これは大きな誤解です。
生活保護には医療扶助があります。必要な医療を受けるための仕組みです。
ただし、生活保護を受けている場合は、受診できる医療機関や手続きにルールがあります。急病の場合を除き、事前に福祉事務所へ相談することが必要になる場合もあります。
「お金がないから病院に行けない」と我慢している高齢者ほど、生活保護によって医療につながる意味は大きいです。
誤解4:介護サービスが使えなくなる
生活保護を受けても、必要な介護サービスが使えなくなるわけではありません。
要介護認定を受け、ケアマネジャーがケアプランを作成し、必要なサービスを調整する流れは基本的に変わりません。
訪問介護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具、施設入所なども、本人の状態や制度上の条件に応じて利用を検討できます。
ただし、生活保護の場合は、介護扶助の手続きや福祉事務所との調整が必要になります。ケアマネジャー、福祉事務所、介護事業所が連携して進めることが重要です。
誤解5:持ち家があると絶対に無理
持ち家がある場合でも、生活保護を申請できる可能性はあります。
特に、本人がその家に住み続ける必要がある場合や、売却しても生活の安定につながらない場合などは、個別に判断されます。
ただし、資産価値が高い不動産や、住んでいない土地・建物などがある場合は、活用や売却を求められる可能性があります。
大切なのは、自己判断であきらめないことです。
誤解6:車があると絶対に無理
車は原則として処分を求められやすい資産です。
しかし、通勤、通院、障害、地域の交通事情などによっては、例外的に保有が認められる場合があります。
特に地方では、車がないと病院にも買い物にも行けない地域があります。
ただし、認められるかどうかは個別判断です。車の必要性を説明できるようにして、福祉事務所に相談することが大切です。
誤解7:一度受けたら一生抜けられない
生活保護は、一生受け続けることを前提にした制度ではありません。
生活状況が改善し、収入が最低生活費を上回るようになれば、生活保護は廃止になることがあります。
たとえば、仕事が見つかった、年金や手当が増えた、家族との同居で生活が安定した、他の制度が利用できるようになったなどの理由で、生活保護から外れる場合があります。
一方で、高齢、重い病気、障害、介護が必要な状態などにより、長期的に生活保護が必要になる方もいます。
大切なのは、「抜けられるかどうか」だけではありません。
今、生活が成り立たない状態を放置して、病気や介護状態が悪化してしまうことのほうが大きな問題です。
高齢の親が生活保護を受ける場合に家族が確認したいこと
高齢の親が生活保護を受ける場合、家族は次の点を確認しておくとよいです。
まず、親の収入です。年金額、手当、仕送り、その他の収入を確認します。
次に、支出です。家賃、光熱費、食費、医療費、介護サービス費、借金、滞納、施設費用などを整理します。
そして、介護の状況です。要介護認定を受けているか、ケアマネジャーがいるか、どのサービスを使っているか、今後施設入所が必要かを確認します。
さらに、住まいの状況も重要です。持ち家なのか賃貸なのか、家賃はいくらか、今後も住み続けられるのかを確認します。
生活保護は、単にお金の問題だけではありません。
高齢の親の場合、医療、介護、住まい、家族関係がすべてつながっています。
そのため、生活保護の相談をするときは、福祉事務所だけでなく、地域包括支援センターやケアマネジャーにも相談しておくと、より現実的な支援につながりやすくなります。
生活保護は「最後の手段」ではなく、生活を守る制度
生活保護という言葉には、どうしても重い印象があります。
「できれば使いたくない」
「家族に知られたくない」
「周囲にどう思われるか不安」
「一度受けたら終わりのような気がする」
そう感じるのは自然なことです。
しかし、生活が苦しい状態を放置すると、家賃滞納、受診控え、介護サービスの中断、栄養状態の悪化、認知症の進行、家族の共倒れにつながることがあります。
特に介護が必要な高齢者の場合、お金の問題を我慢し続けることで、必要な医療や介護につながれなくなることがあります。
生活保護は、生活を立て直すための制度です。
そして、高齢の親の生活を支える家族にとっても、親の医療や介護を安定させるための大切な選択肢になることがあります。
まとめ:生活保護は誤解であきらめず、まず相談することが大切
生活保護を受けると、毎月の保護費が支給されるだけでなく、医療扶助や介護扶助など、生活に必要な支援を受けられる場合があります。
一方で、収入申告、資産調査、ケースワーカーとの関わり、生活状況の報告など、守るべきルールもあります。
持ち家、車、預貯金がある場合でも、必ず生活保護が受けられないとは限りません。大切なのは、自己判断であきらめず、今の生活状況を正直に伝えて相談することです。
特に高齢の親の生活保護を考える場合は、生活費だけでなく、医療費、介護サービス費、施設入所、住まい、家族の負担まで含めて考える必要があります。
生活保護は、恥ずかしい制度ではありません。
生活に困ったとき、医療や介護が必要なとき、家族だけでは支えきれないときに、暮らしを守るための公的な制度です。
誤解や不安だけで申請をあきらめず、まずはお住まいの地域の福祉事務所や市区町村の窓口、地域包括支援センター、担当ケアマネジャーに相談してみてください。
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