※今回の記事は、従来型特養をベースにした内容です。施設によって対応が異なる場合があります。
こんにちは、hiroです。
今回は、特養への入所が決まった後に何をするのかについて解説します。
- 特養から入所の連絡があった後は、どう動けばいいの?
- 入所契約のときの持ち物は?
- 事前に準備しておくことはある?
- 入所の日程は、施設に合わせないといけないの?
入所が決まった後も、不安や心配は尽きないかもしれません。
そこで今回は、そんな場面で慌てないために、特養への入所が決まった後の流れや手続きをわかりやすく解説していきます。
特養への入所が決まったら、まずやること
特養への入所が決まったら、まず必要になるのは施設での契約です。
一言でいうと「契約をする」ですが、実際にはやることがいくつかあります。
入所の連絡が来た後の流れを大きく分けると、次の3つです。
- 契約について確認する
- 当日の持ち物を準備する
- 在宅サービス終了後の手続きを確認する
① 契約について
介護施設との契約には、おおよそ2時間ほどかかると考えておくとよいと思います。
内容は施設によって多少異なりますが、一般的には次のような説明があります。
- 運営規程の説明
- 重要事項説明書
- 利用契約の説明
- 利用料金の説明
- 看取りに関する説明 など
基本的には、施設側と家族が同じ書類を見ながら読み合わせをしていく形です。
感染症対策や虐待防止に関する説明も含まれるため、どれも大切な内容です。
特に大事なのは利用料金の説明
その中でも、特にしっかり確認しておきたいのが利用料金です。
特養は他の介護施設と比べると費用負担が抑えられやすいですが、それでも当然ながら費用は発生します。
入所申し込みの際にも料金の説明はあると思いますが、その場では概要のみの説明になることも少なくありません。契約時には、より具体的な内訳まで説明されることが一般的です。
たとえば、
- 1日あたりどれくらいの費用がかかるのか
- 介護保険でまかなわれる金額はいくらか
- 実際に自己負担する金額はいくらか
といった点を確認します。
そのほかにも、理美容代や行事費などの実費負担がある場合もあるため、不明点はこの時点で確認しておくと安心です。
契約者と代理人について
契約書には署名が必要になります。
契約者は施設を利用する本人ですが、認知症などにより本人だけで判断が難しい場合もあるため、代理人の署名も求められることが一般的です。
代理人は家族であることが多いですが、後見人や親族が対応する場合もあります。
キーパーソンとは?
キーパーソンとは、入所後の連絡や判断の中心になる方のことです。多くの場合、契約時の代理人がそのままキーパーソンになります。
入所後は、
- 事故や急変の連絡
- 施設からの連絡事項
- 緊急時の対応相談
- 必要物品の準備依頼
などについて、まずキーパーソンへ連絡が入ることが一般的です。
キーパーソンになったからといって報酬があるわけではないため、人によっては負担に感じることもあるかもしれません。
看取りの意向確認について
契約の際には、看取り介護に関する説明や意向確認が行われることがあります。
「今日から入所するのに、もう看取りの話をするの?」と驚かれる方もいるかもしれません。
ただ、入所直後であっても、転倒や急変などで救急対応が必要になる可能性はゼロではありません。そうした場面では、家族の意向確認が必要になることがあります。
そのため、入所時点で看取りや延命に関する考え方を確認しておくのです。
もちろん、これはとても重い内容です。すぐに結論を出しにくい方も多いと思います。
ただし、契約時点での意向で構いませんし、後から変更できることもあります。
そのため、必要以上に身構えすぎず、「現時点ではどう考えるか」を整理するつもりで臨むとよいでしょう。
② 当日の持ち物を確認する
当日の持ち物は、迷いやすいポイントの一つです。
代表的なものを挙げると、次のようになります。
当日の持ち物
- 介護保険証
- 介護保険負担割合証
- 後期高齢者医療資格確認書など医療保険関係書類
- 負担限度額認定証(持っている場合)
- 社会福祉法人等利用者負担軽減確認証(持っている場合)
- 障害者手帳(持っている場合)
- お薬手帳と内服中の薬
- これまで受診した病院の診察券(手元にあれば)
- 衣類
- 印鑑2種類(契約者用・代理人用)
- ご本人の思い出の品(少し)
※施設によって異なる場合があります。
特養では、保険証類を施設で預かる運用になっているところも多いため、忘れずに持参しましょう。
衣類は記名が大切
衣類については、必ず記名をお願いされることが多いです。
記名がないと紛失や取り違えの原因になり、トラブルにつながることがあります。
また、ウールや毛糸など縮みやすい衣類は、洗濯事故を防ぐために持ち込みを控えてもらう施設もあります。
マイナンバーカードについて
医療保険証の廃止に伴い、マイナンバーカードを保険証として使う流れが進んでいます。
ただし、特養ではマイナンバーカードの預かり対応をまだ慎重にしている施設も多い印象です。
通院時には、後期高齢者医療の資格確認書などを使って対応している施設も多いと思われます。
私の施設でもそのように対応しており、周囲の施設でも同様の話を聞いています。
今後の扱いは施設ごとに変わっていく可能性があるため、契約時に確認しておくと安心です。
出納管理について
従来型特養などでは、施設が提携する金融機関で口座を作成し、その口座から利用料の引き落としを行うよう案内されることがあります。
施設側が通帳や印鑑を預かり、家族はキャッシュカードを持って入金対応をする形です。
そして、家族が通帳を直接確認できない代わりに、入出金記録を印刷して定期的に送付する、といった運用が行われることがあります。
このような管理に対して、月額で費用がかかる場合があります。
厚労省資料では「預り金の出納管理に係る費用」といった表現が見られますが、施設によって呼び方はさまざまで、
- 出納管理費
- 預り金管理費
- 金銭管理費
- 預かり金管理料
などと案内されることがあります。
最近では、「それなら現金払いにしたい」と希望され、こうした契約を結ばない方も増えてきています。
③ その他の確認事項
居宅サービスは利用できなくなる
特養に入所すると、在宅向けの居宅サービスは基本的に利用できなくなります。
たとえば、
- 福祉用具レンタル
- デイサービス
- ホームヘルプ
- 訪問リハビリ
などです。
在宅介護で車いすや杖、手すりなどをレンタルしていた場合も、入所後はそのまま継続できないのが一般的です。
施設生活では、必要な介護や車いすは施設側で用意することが多くなります。
ただし、「体に合った車いすを使いたい」など本人の希望がある場合には、個人で購入する形になることもあります。
タクシー券は使えなくなることが多い
在宅生活のときに、自治体のタクシー券を使っていた方もいると思います。
こうしたタクシー券は、施設入所後は利用対象外となることが多いです。
未使用のものが手元に残っている場合は、自治体へ返却するよう案内されることもあります。気になる場合は、事前に確認しておくとよいでしょう。
まとめ
特養への入所が決まったら、まず必要になるのは施設との契約です。
契約にはある程度の時間がかかりますが、最近ではすべての書類を細かく読み上げるのではなく、ポイントを絞って説明する施設も増えてきています。
家族側も、これまで他の介護サービスで似た説明を受けた経験があり、
「内容はだいたいわかるので、要点を中心に聞きたい」
というケースもあります。
その場合でも、費用面や緊急時の対応、持ち物、入所後に使えなくなるサービスについては、しっかり確認しておくことをおすすめします。
特養への入所は、ご本人にとってもご家族にとっても大きな転機です。
慌てず準備できるよう、事前に流れを把握しておきましょう。

コメント