介護業界の今がわかる!週刊介護News(12月5日版)

介護News

こんにちは、hiroです。

介護保険制度や介護報酬、ケアマネ資格、処遇改善などのニュースは、毎月のように新しい情報が出てきます。
ただ、「結局、現場では何が変わるの?」「利用者さんや家族にはどう説明したらいいの?」と感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事から、介護ニュースをもっとわかりやすくするために

  • 概要
  • 解説(背景・ポイント)
  • 業務に活かせること

の順で整理していきます。ケアマネジャー・生活相談員・介護職など、現場で働く方の“明日からの一言”に役立つ内容を意識してまとめています。

介護保険「2割負担」対象拡大案と預貯金による配慮措置

概要
厚労省が、介護保険の自己負担「2割」の対象者を拡大する案を専門家会議に提示。
単身の年収230〜260万円あたりまで広げるイメージで、月あたり最大2.2万円負担増になる試算。ただし、預貯金が少ない人は1割に戻す仕組み(預貯金300〜700万円以下など複数案)や、負担増を月7,000円までに抑える案も検討中。テレ朝NEWS+1

解説
・現状は原則1割負担となっているが、年収280万円以上で2割負担の案が出ている
⇒高齢者人口と介護費の増加で「制度の持続可能性」を確保するため、比較的余力のある層にもう少し負担をお願いしよう、という流れが出て来ている。
 ただし「貯金は少ないけど年金+少しの収入でギリギリ」という層も多いので、所得+金融資産の両方を見る方向になっている。

業務に活かせること

  • 利用者・家族への情報提供
    • 家族から不安の声や話題として聞かれることがあるかもしれない。
      そういうときでも、「年収だけでなく預貯金も見て、2割か1割か決まる方向で議論されています」と、話せることが大切。
    • 2割対象になりそうな人は、「負担上限が7,000円になる案もあるが、正式決定はこれから」という前提で、将来的な利用量や施設入所のタイミングを一緒に考えていく。

ケアマネ資格更新制度の「廃止」方向で議論が前進

概要
社会保障審議会・介護保険部会などで、ケアマネジャー資格の「更新制廃止」と取得要件緩和を柱とした見直し案が示され、おおむね了承されたと報じられている。Gemmed+1

解説

  • 現行は5年ごとに更新研修を受けないと資格失効。
  • 研修時間・費用・人員確保の負担が離職の一因になっていることから、「更新制そのものをやめる」方向で議論が進行。
  • 制度改正の流れは
    • 2025年中に介護保険部会で必要な改正内容を整理
    • 2026年通常国会で法案提出・成立を目指す
    • その後、具体的な施行時期・経過措置が決まっていく見込み。

業務に活かせること

  • 自分や職場のケアマネのキャリア設計
    • 「更新がなくなるなら勉強しなくていい」ではなく、逆に
      • 事業所内研修
      • 外部研修・eラーニング
      • 事例検討会
        をどう作るか、今のうちから考えておくと差がつく。
  • 人材確保・採用
    • 「更新で辞めようとしていた人」や「更新が不安な人」に対して、今後の見通しを伝え、離職抑制・復職のきっかけにできる。
  • 利用者・家族への信頼説明
    • 「更新制はなくなる方向だが、代わりに事業所として◯◯の研修や事例検討で質を担保します」と説明できるよう、事業所としての“学びの仕組み”を見直すタイミング。

介護職員等処遇改善加算の「一本化」が完全実施、さらなる改善も検討

概要
2025年度から、これまでバラバラだった

  • 処遇改善加算
  • 特定処遇改善加算
  • ベースアップ等支援加算

が一本化され、「介護職員等処遇改善加算」として4段階のシンプルな仕組みに。2024年度に2.5%、2025年度に2.0%のベースアップを目指す方針で、その効果を踏まえ、さらに処遇改善を検討していくとされている。ナリコマグループ

解説

  • 加算が複雑すぎて「何がどう賃金に乗っているか分かりにくい」という批判があり、一本化された。
  • 新しい加算の算定要件は
    • キャリアパス要件
    • 月額賃金改善要件
    • 職場環境等要件
      の3つが軸。
  • 政府の骨太方針2025では、今後も処遇改善の効果を検証しつつ、2026年度予算編成の中で「さらなる処遇改善」を検討すると明記。Gemmed

業務に活かせること

  • 「加算がどう賃金に反映されているか」を見える化
    • 給与明細や職員説明会で、「処遇改善加算で○円、ベースアップで○円上がっている」と具体的に示すと、納得感と定着率が上がると理解する
  • 職場環境等要件=現場改善のネタ帳にする
    • 研修制度、腰痛対策、ICT導入、メンタルヘルスなど、要件をチェックリスト代わりにして、現場改善の優先順位付けに使える。
  • 採用・広報で“賃金の見通し”を説明
    • 面接や求人票で「処遇改善加算◯区分を取得していて、平均△円のアップ」と話せると、求職者の安心材料になる。

「適切なケアマネジメント手法」の手引きその3セミナー案内(介護保険最新情報 Vol.1434)

概要
厚労省は「適切なケアマネジメント手法の普及推進」に関する調査研究事業の一環として、
『「適切なケアマネジメント手法」の手引き その3』の解説セミナー案内などを「介護保険最新情報 vol.1434」で周知。i.care-mane.com

解説

  • いわゆる「適切なケアマネジメント手法」は、アセスメント〜プラン〜モニタリングを標準化・質保証するための国推奨パッケージ。
  • その「その3」は、既刊の手引き1・2を踏まえた実務寄りの内容・事例・運用のポイントがテーマになっている。
  • ケアマネ不足・業務の質のバラつきが問題視される中で、「属人的スキル」ではなく「標準化された手法」を全国に広げたいという狙い。

業務に活かせること

  • ケアマネ事業所の“標準マニュアル”のベースにする
    • 既存のアセスメントシート・ケアプラン様式と照らし合わせて、「手引きの観点が漏れていないか」をチェック。
  • 新人教育・OJT教材として使う
    • ベテランの“感覚”を言語化する教材として、新人ケアマネや多職種勉強会のテキストに利用できる。
  • 施設ケアマネ・地域包括にも関係あり
    • 居宅だけでなく、施設ケアマネ・地域包括が共通言語として「適切なケアマネジメント」の考え方を共有すると、サービスのつながりがスムーズになる。

物価・賃金上昇を踏まえた介護事業所への緊急支援パッケージ(介護保険最新情報 Vol.1444 など)

概要
物価・賃金の上昇で厳しい経営環境にある介護事業所・施設に対し、

  • 国の「物価・賃金上昇対策パッケージ」
  • 地方の「重点支援地方交付金」

を活用した緊急的な支援策が示され、2025年度補正予算案に盛り込まれた。ICT導入・経営の協働化・訪問介護やケアマネジメントの体制確保などへの支援を強化する方針。厚生労働省+1

解説

  • 私の施設も同様だが、電気代・食材費・人件費のトリプル高で、特養・老健・通所など多くの事業所がギリギリの経営である事を理解する
  • 単に「赤字を埋める補助金」ではなく、
    • エネルギー価格・物価高対策の支援
    • ICT・テクノロジー導入
    • 経営の協働化(法人連携・共同購入など)
      を組み合わせて、「生産性を上げながら持続可能な体制にしていこう」という方向。

業務に活かせること

  • 自法人が使える補助金・交付金をチェック
    • 県・市町村の介護保険担当課の通知や説明会資料を確認し、「うちが申請できるメニュー」をリストアップ。
  • 現場から“使い道”の提案を出す
    • 「このICTを導入すれば記録時間が○分短縮できそう」「この機器で夜間巡視が楽になる」など、具体案を上に出すチャンスなので積極的に提案していくと良い
  • 将来の加算・報酬改定を見据えた投資
    • LIFEやICT連携と絡めた加算・評価が今後も増える流れなので、「どうせやるなら加算算定まで見据えた導入計画」にしておくと、あとで効いてくる。


      介護ニュースは、「難しそう」「自分には関係なさそう」と感じてスルーされがちです。しかし、内容をかみ砕いてみると、

      ・利用者・家族への説明の一言ケアプランの考え方、
      ・職場の研修テーマ、

      など現場で活かせるヒントが必ず隠れています。今回ご紹介した5つのニュースも、ぜひ「自分の職場ではどう活かせるか?」という視点で眺めてみてください。
       小さな一歩の積み重ねが、「ニュースに振り回される人」から「ニュースを使いこなす人」への分かれ道になるはずです。
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