介護の3大負担軽減制度をまとめて解説 ~高額介護サービス費・補足給付・社福減免~

介護の基礎

■ 介護の負担軽減制度は「知らなきゃ損」

 こんにちは、hiroです。

 ・介護サービスを受けたいけど、費用がかかるから・・
 ・金銭的な負担を減らす補助的な仕組みはないの?
 ・家族が介護が必要だけど、自分の生活があるから、介護サービスが使えない・・

介護サービスを使うには、費用がかかります。
しかし、負担を軽減できる制度がある事をご存じでしょうか?

利用者の家族とお話をしていて「制度名は知ってるけど詳しくは知らない」というケースが多いです。

実は、低所得者への負担軽減制度は3種類あり、この制度を知ると知らないでは費用面で大きな違いがあります。
そのような方へ、まず、この記事では3つの軽減制度の全体像を一気に整理し、
「自分の家庭にはどれが関係するのか?」を判断できるようにしていきます。


■ 3つの軽減制度の違いをざっくり比較

ここで以下の3制度の違いを簡潔に説明します。

高額介護サービス費
 → 介護サービスの自己負担が高すぎる分を後から返金する制度
特定入所者介護サービス費(補足給付)
 → 施設利用の食費・居住費を軽減する制度
社会福祉法人等利用者負担減免(社福減免)
 → 支払いが困難な人の利用料を法人が減免する制度

「何を軽減する制度なのか」をまず理解できれば、迷いが減りますね。

負担軽減制度の比較表
制度名 目的 対象者 対象サービス 負担軽減の仕組み 申請先
高額介護サービス費 利用者の自己負担が一定額を超えないようにするため 所得区分ごとに設定された上限額を超える人 介護保険サービス全般(訪問介護・通所・特養など) 月額自己負担上限を超えた分を後から払い戻し 市区町村(介護保険担当)
特定入所者サービス費(補足給付) 施設利用時の食費・居住費(ホテルコスト)の軽減 低所得で預貯金基準を満たす人 特養・老健・療養・ショートステイ 国の基準額まで食費・居住費を減額 市区町村(保険者)
社会福祉法人等利用者負担減免(社福減免) 生活困難者や災害などで一時的に支払いが困難な人を救済 生活困窮者、災害被災者など 社会福祉法人が運営する各種サービス 利用料の一部または全額の減免 サービスを運営する社会福祉法人

■ 自分(家族)がどの制度に当てはまるか判定する

● 介護サービス利用が増えて月額が高い
 → 高額介護サービス費が関係する可能性大

● 特養・老健・ショートステイの食費・居住費が高くて困っている
 → 補足給付(特定入所者)

● 失業・災害・家計困難で支払いができない
 → 社福減免

 在宅介護の方は高額介護サービス費を申請する事が良い。施設利用の方は、特定入所者サービス費と社福減免の制度の利用もお勧めです。
 軽減制度は、特定入所者サービス費社福減免高額介護サービス費の順で減額されていく。
 特定入所者サービス費については、知らない方も多く、入所の際に説明を受けてから申請する場合も多い。低所得者の中には、すべての制度を利用している方もいますが、一つ気を付けたいことは、高額介護サービス費以外は、条件や審査がある為、単に費用を安くしたいと申請しようとしても、条件が合わず申請できなかったり、利用できない事もあります。


■ 施設利用と在宅利用の違い(制度が変わるポイント)

制度は 在宅施設 で使えるものが違う。

● 在宅介護
 → 高額介護サービス費のみが中心
 (補足給付や社福減免は基本的に施設系)

● 施設介護(特養・老健など)
 → 高額介護サービス費 + 補足給付 + 必要に応じて社福減免

この区別を理解しているだけで制度選びがスムーズになる。
短期入所生活介護(ショートステイ)は、居宅サービスですが、特定入所者サービス費制度を利用できます。


■ 必要書類の全体像(ざっくりでOK)

制度によって細かい違いはあるが、

主に必要になるもの:

● 介護保険証
● 収入・年金額がわかるもの
● 預貯金の通帳
● 利用中のサービス内容
● 申請書(自治体で配布)

■ まずはどれから検討すべきか

3つの制度があり、どれから手をつければ良いかわからない、と言う方へ、手続きの順を以下に示したので参考にしてください。

高額介護サービス費(自動判定されるから最優先)

補足給付(施設利用があるなら必ず確認)

社福減免(生活困難の状況なら検討)

3つの制度の「使い分け」をわかりやすく整理

・高額介護サービス費=上限を超えた分をあとで戻す
例:在宅生活でサービス費が高騰する → 高額介護サービス費

・特定入所者=施設入所時の食住費を軽減
例:特養に入りたいが食費・居住費が重い → 補足給付

・社福減免=利用料そのものを下げる
例:在宅でデイ・ヘルパーを利用したいが収入が低い → 社福減免

現場目線の“よくある誤解”

・特定入所者は「施設利用料が安くなる」と誤解されがちだが、安くなるのは食費・居住費
・高額介護サービス費は「全部戻る」ではない
・社福減免は「どこでも受けられる」わけではない(社福のみ)


■ まとめ:制度を知っているだけで家計が変わる

 国は、低所得者であっても、必要な制度を利用できるように救済制度を作っていることが多く、
知っていると知らないでは大きな差が出ます。
 介護費用も制度を知っていれば軽減でき、3つの制度は併用もできます。
まずは自分にはどの制度が当てはまるかを知り、一番関係ありそうな制度をチェックする事、そして、市役所に申請に行くこと
次回以降、3つの制度をそれぞれ深ぼっていくのでチェックしてくださいね。

〇関連記事

「要支援だから無理」は誤解?ショートステイの意外な使い方 ~制度解説+おすすめ介護用品~ | 介護しよ.net/blog

もう頑張らないで。在宅介護で心も体も限界になる前に知ってほしいこと | 介護しよ.net/blog

介護施設の入所に家族は来なくなった?理由は社会の変化と施設増加 | 介護しよ.net/blog

〇介護情報誌『おはよう21』~1冊から購入できますが、定期購読がおすすめです~
  • バックナンバーのデジタル版が見放題
  • 最新号が毎月届くので買い忘れなし
  • 継続的に学びが積み重なり、スキルアップにつながる

定期購読の詳細はこちら(公式サイト)

〇 noteを始めました。

こちらでは介護に限らず、私が普段思う事や、趣味など自由な内容を記事にしていきますので、
こちらからどうぞ👉hiro|note

コメント

タイトルとURLをコピーしました