※この記事は、筆者の経験をもとにした「考え方の整理」です。事故の判断は、利用者さんの状態、施設の体制、契約内容、その日の状況などで変わります。個別のケースは、施設・保険会社・自治体の相談窓口・専門家へご相談ください。
※本文の事例は、複数の経験をもとに内容を組み替えた「合成ケース」です(特定されないよう配慮しています)
こんにちは、hiroです。
今回はちょっと避けて通れない話。
””介護事故のあと、病院代や入院費って誰が払うの?””というテーマです。
先に結論:分かれ目は「施設側の過失(落ち度)があるかどうか」
結論から言うと、介護事故の費用負担は、事故の大きさだけで決まるわけじゃないです。
多くの場合、ポイントはここ。
- 職員の介助や操作が原因で起きた事故(過失が強い)
→ 施設側が負担(全額または大部分)になりやすい - 利用者さんが自分で動いた結果など、予防が難しい事故
→ 施設が全額負担にならないことが多い(ケースによる)
施設はたいてい、事故に備えて賠償責任保険に入っています。
ただ、この保険も「事故が起きたら何でも出る」ではなくて、基本は””施設に賠償責任があるか(過失があるか)””が前提です。
車の保険に少し似てますね。
現場にいると、事故は本当に「起こしたくて起きるもの」じゃないのに、どうしても起きます。
もちろん目指すのは“介護事故ゼロ”。しかし、現実には転倒・転落・誤嚥・服薬ミス・ぶつけた…など、大小さまざまに起きてしまいます。
その中でも多いのが、やっぱり転倒です。
転倒で怖いのは、なんといっても骨折です。骨折すると、通院だけでなく、入院や手術になることもある。本人の痛みも大きいし、家族の不安も一気に上がります。
そこで出てくるのが、この疑問。
- 「これ、施設の責任じゃないの?」
- 「医療費は施設が払うべき?」
- 「安全管理不足じゃない?」
ここを、現場目線で“ざっくり”整理していきます。
ケース①:見守りはしていた。でも転倒→受診で骨折が分かった
ある利用者さん。認知症があり、意思疎通は難しい状態。
日中は施設内を歩くことが多く、誘導を嫌がることもある。夜間もご本人のペースで動くことがあり、施設としては定期的な見回りをして、安全確認と記録を残していました。
ある日、あとから痛がる様子があり、念のため受診したら骨折が判明。結果的に入院・手術になり、費用もかかりました。
その後、家族からこう言われるケースがあります。
「転倒って防げたんじゃないですか?安全管理が足りないんじゃないですか?かかった費用は施設が払うべきでは?」
施設側は、当日の状況や記録を整理し、保険会社にも報告。第三者的な確認が入り、””「施設に過失があるとは言いにくい」””という判断になった。
最終的には、家族側に一定の給付(お見舞金など)が出る形で落ち着いた、という流れです。
ここで大事なポイント
夜間は特に、少ない人数で複数の利用者さんを見ています。
もし同時に別のナースコールが鳴ったら、優先度が高い方に対応せざるを得ない場面もある。
その中で、
- 定期巡回をして
- 所在確認・安全確認をして
- 記録が残っている
こういう“必要なこと”をやっていた場合、事故が起きても「過失なし(または限定的)」になりやすい、ということがあります。
ケース②:介助・誘導の場面で、職員の操作が原因になって骨折
別の利用者さんは、体に力が入りにくく、日常動作の多くが全介助。
食事のために車いすで誘導する場面で、職員の操作や位置関係のミスが重なり、手(上肢)をぶつける/挟む形になってしまった。
最初は外傷が目立たなくても、時間が経って腫れや変色が出てきて、受診すると骨折が判明。家族の要望で入院・手術になった。
このケースは、結果的に施設が費用を負担する形になりました。
ここで大事なポイント
この事故は、利用者さんが勝手に動いたわけではなく、
職員の介助(車いす操作など)そのものが原因に近いからです。
「挟まる可能性を予測できたのでは?」
「操作として防げたのでは?」
こういう見方になりやすい。
同じ“骨折”でも、判断が変わる理由
家族から見れば、「骨折=大事故=施設が払うべき」と感じやすいです。
でも判断は、わりと冷静に次の軸で見られます。
- その事故は予測できたのか
- その事故は防げたのか
- 施設は必要な安全配慮をしていたのか(記録・体制・ケア計画など)
- 職員の行為が、事故の原因にどれくらい関わっているのか
要するに、””「施設が何をすべきだったか」””が問われるんですね。
施設側が日頃からやるべきこと
事故って、家族が悪いとか施設が悪いとか、単純な話じゃないです。
だいたい「不安」と「情報不足」が重なって揉めます。
だから施設としては、
- 利用者さんの状態変化を早めに察知する
- リスクが上がったら、家族に早めに共有する
- ケアの方針(見守り・巡回・環境面)を言語化する
- 事故時は、事実と記録を整理して説明の筋を崩さない
- 必要なら保険会社など第三者の判断を挟む
ここがすごく大事だと感じています。
高齢の方は、入所したからといって体力が上がるより、現状維持か徐々に低下のほうが多い。
だから事故の可能性も上がっていきます。ここを、少しでも家族と共有できると、お互いにラクになります。
ひとこと(家族へのメッセージ)
介護事故は、施設としても本当に起こしたくて起きるものではありません。だからこそ、起きた時は事実を整理し、説明し、必要な対応をすることが大切だと思っています。ご家族も不安や疑問が出るのは当然ですので、遠慮せずに「何が起きたのか」「今後どうなるのか」を一緒に確認していければと思います。
まとめ:費用負担は「過失の有無」で変わりやすい
介護事故後の費用負担は、ケースバイケースですが、
多くの場合は 「施設側の過失があるかどうか」 が分かれ目になりやすいです。
事故をゼロにする努力は当然やります。
その上で、起きた時には事実を整理して、必要な説明と対応をする。
これが現場としての誠実さだと思っています。
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